自分らしさを忘れずに、挑戦する心を絶やさない【こころとからだと、人生と vol.6】
私たちのこころとからだを繋ぎ穏やかにしてくれるもの、それは一体なんでしょうか?美味しい食事、健やかな生活、大切な人とのひととき……。そのバランスの取り方は、十人十色。さまざまな女性たちが思う「こころとからだの向き合い方」を、彼女たちの人生やキャリアを通してシェアしていきます。 第六回は、1型糖尿病を患いながらも世界一周やキリマンジャロ登頂を達成するなど、チャレンジを続けることで人々に勇気を与えているモデルの星南さんと、モデルとして長いキャリアを持ちながら環境問題への取り組みなど、自分らしく発信を続けるAKEMIさんのストーリー。 星南さんのInstagramはこちら AKEMIさんのInstagramはこちら - まずお二人の経歴・活動内容などを教えてください。 星南:私はモデルやチャレンジャー、活動家、そして一般社団法人「凸凹もへじ」の代表理事という様々な肩書きがあります。主な活動としては1型糖尿病に関する啓蒙などを行っています。18歳のときに1型糖尿病という自己免疫疾患を発症しました。糖尿病には大きく分けて2つ種類があり、糖尿病の約9割が生活習慣や遺伝などが原因で発症する2型糖尿病で残りの1割が1型糖尿病です。1型糖尿病は自己免疫によって引き起こる原因不明の病気なので、誰が発症してもおかしくありません。しかし、日本では日本人が持つ糖尿病に対する間違った理解のせいで、「言葉のナイフ」のような偏見や誤解にたくさん触れてきました。そうした経験から、1型糖尿病に対する理解を広めたいという思いで、大学卒業後から様々な形で啓発活動を続けています。 AKEMI:私は7歳のときに日本に移住して、中学校から日本の学校に通いました。そこから自然とモデルの仕事を始めたんですが、大人になるにつれて「なんでこの仕事をやってるんだろう?」と思うようになって。そんなときに、ブラジルのアマゾンで大規模な火災が起こったんです。それがきっかけで環境問題やプラスチックごみに興味を持ち始めて、いろいろ勉強するうちに環境問題は人権や健康など様々なことに繋がっているのだということだとわかってきました。最近はあまり行えてないのですが、環境問題について話す場を設けたり、友人と一緒にごみ拾いをしたりできることを行っています。 - 今お話を聞いていると、明るい太陽のような星南さん、ふわふわとした風のようなAKEMIさん、お二人ともタイプが全く異なっているのですが、出会って意気投合したきっかけはなんでしょうか? 星南:AKEMIちゃんの存在は前から知っていたんです。共通の知人もいてSNSなどで見かけることも多くて。でも実際にちゃんと会ったのは、とあるイベントでした。 AKEMI:そうそう。そのとき私は、ブラジルにルーツを持つ方々を撮影する企画にモデルとして参加していて、星南ちゃんが展示に来てくれたんです。最初はほんの少し言葉を交わすくらいだったんですけど、明るい笑顔がすごく印象に残っていて。私というよりお母さんたちと話してたよね(笑)。 星南:そうそう(笑)。そのあとアウトドア関連のお仕事で一緒になる機会があって、そこから一気に距離が縮まったよね。一緒に山登りをしたり、自然の中で語り合ったりする時間がすごく特別だった。彼女の動物に対する愛の深さ、そして地球への愛溢れるアクションにいつも胸を打たれています。互いに刺激し合える関係性がとても愛おしい気持ちになりますし、気づいたらとても大切な友人の1人になっていました。 AKEMI:本当に自然と仲良くなっていったよね。私はあまり自分から話しかけに行くタイプじゃないから、グイグイきてくれてよかった(笑)。考え方も近いし、価値観もすごく似ていて、一緒にいると安心できる存在。SNSの投稿とかも「わかる!同意!」って感じでいつも見ています。 - 星南さんはご自身の病のことをSNSなどで発信しながら積極的に活動を行っていますが、発信をする上で心がけていることはありますか? 星南:やっぱり「誰も傷つかない社会になってほしい」という思いが根底にあります。そのために、言葉選びにはとても気をつけています。私は1型糖尿病を自分の“個性”と表現しています。マイノリティとされている人たちが社会で感じている生きづらさは、どこか通じるものがあると思っていて。だからこそ、それぞれの“個性”に対するリスペクトに溢れるような発信を心がけています。 AKEMI:私は星南ちゃんの言葉選びや発信の仕方に本当に元気をもらっています。冷たいコメントに対しても、柔らかく、ユーモアを交えて返していて。「この人、強いなあ」って。きっと自分がそうした辛い思いを経験したことがあるからこそ、人を傷つけることをしないっていうのが、言葉の端々に現れているんだと思います。 星南:え〜、涙が出そう……! ありがとう。私、ピンチはチャンスだといつも思っていて。私の場合はインスリンがなければ生きられないので、世界一周したときも「この国ではインスリンが手に入るのか」とか、「この環境では治療が受けられるのか」といったことが死活問題なんです。ケニアに行ったときには、治療が受けられない子どもたちもたくさんいました。だからこそ、自分は環境によって命をつなげてもらっているという実感が強くて。「せっかく命がつながっているんだから、何度でもやり直せるし、何度でも挑戦していい」と本気で思っています。 - それでは次に、いろいろな活動をされているお二人が生理とどう向き合ってきたのかについて、お伺いさせてください。特に思春期やお仕事の中で経験されたことなど、印象に残っているエピソードがあれば。 ...